毎年、高尾山薬王院で開催される火渡り祭は、修験道の伝統を色濃く残す特別な儀式です。2025年も、山伏たちによる迫力ある火渡りの光景が再び蘇り、参加者を神秘的な世界へと誘います。
燃え盛る炎の上を歩き、煩悩を断ち切る「火生三昧(かしょうざんまい)」の儀式は、見る者の心を揺さぶり、参加者自身が浄化を体感する貴重な機会です。
この記事では、火渡り祭の歴史や見どころ、参加方法など、完全ガイドとしてお届けします。伝統文化に触れる特別な日を体験するための準備を、ここから始めましょう。
火渡り祭とは
火渡り祭は、毎年3月の第2日曜日に高尾山薬王院祈祷殿駐車場で開催される伝統的な儀式で、修験道の教えに基づき行われています。この祭りの目的は、炎を通じて災厄を祓い、心身を浄化し、無病息災や家内安全、世界平和を祈願することにあります。その中心には、修験者が裸足で燃え盛る炎の上を歩く「火生三昧(かしょうざんまい)」と呼ばれる神秘的な儀式があります。
火渡り祭は、高尾山の御本尊である飯縄大権現の「衆生救済」の誓願に基づいて行われ、真言密教の教えと修験道の修行が融合した形で続けられています。この儀式では、まず僧侶たちが護摩供養を行い、護摩木を焚き上げて場を清め、煩悩や災厄を炎で焼き尽くします。その後、修験者たちが火を鎮めた後の炭火の上を歩き、その神聖な力で場のエネルギーを浄化します。
この祭りの特徴の一つは、修験者のみに限らず、一般参加者も火渡りを体験できる点です。参加者は僧侶の指導のもと、裸足で慎重に火の上を歩きます。この体験は、災厄を祓う功徳を得られるとされ、現代では観光客や信者にとって特別な精神的浄化の機会となっています。参加者の多くは願い事を胸に秘めながら火を渡り、煩悩を焼き尽くします。
開催概要
令和7年度の開催概要は、今後、薬王院の公式HPで公開される予定です。
- 日程: 2025年3月9日(日)
- 時間: 午後1時開始
- 会場: 高尾山薬王院 自動車祈祷殿広場
- 参加概要: 薬王院のHPでご確認ください
スケジュール
当日のスケジュールは、高尾山薬王院HP「火渡り祭のご案内」ページよりご確認ください。
見どころ
火渡り祭は午後1時に始まり、ほら貝の音で儀式の幕が開けます。以下は主な儀式の流れと見どころです:
- 阿字門の儀
道場の入口を清め、参加者の安全を祈念する儀式。 - 法弓の儀
魔物を追い払うために矢を放つ儀式で、緊張感が漂います。 - 火生三昧
修験者が燃え盛る火の上を歩き、煩悩を降伏させるクライマックス。炎の勢いと修験者の姿に圧倒されます。
儀式の後には、一般の参加者も火を渡ることができます。火渡りを希望する参加者は、僧侶の指導の下、心を整えた状態で火の上を歩きます。この体験は災厄を祓う功徳を得られるとされ、特別な意味を持ちます。
炎が燃え上がる瞬間や修験者たちが火を渡る姿は、観客にとっても印象的な光景となるでしょう。
3. 一般参加者の体験
修験者に続いて、一般参加者も火の上を歩くことができます。一般参加者が歩くのは、炎が鎮まった炭火の上で、安全に配慮されています。この体験では、多くの人が願い事を胸に秘めながら火を渡ります。
参加にあたっての注意点
服装と持ち物
- 火渡りは素足で行います。脱ぎやすい靴と動きやすい服装で参加してください。
- 冬場の冷え込みを考慮し、暖かい服装をおすすめします。
混雑対策
- 整理券は午前9時分から配布されますが、早朝から列ができることが多いため、余裕をもって会場に到着するのがおすすめです。
体力に関する注意
- 火渡りは補助なしで歩ける体力が必要です。小学生以下のお子様は保護者の同伴が必要です。
高尾山薬王院へのアクセス
火渡り祭は13時から開催されます。その時間まで、高尾山の中腹にある薬王院へ参拝されてはいかがでしょうか。薬王院はパワースポットとして知られていますのでおすすめですよ。
薬王院は都心からのアクセスが良く、以下の方法で訪れることができます。
電車の場合
- 京王線「高尾山口駅」下車、徒歩約5分で会場に到着します。道標も整備されており、初めての方でも安心です。
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車の場合
- 圏央道「高尾山インター」から約1kmの駐車場を利用できます。祭りの開催時期は混雑が予想されるため、早めの到着を心がけてください。
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ケーブルカーまたはリフト
- 清滝駅からケーブルカーまたはリフトを利用して高尾山駅まで行くことができます。自然の景色を楽しみながら移動できますが、徒歩での移動時間が増えるため、余裕を持った計画を立ててください。
参考:高尾登山電鉄のHP ケーブルカー・リフトのご案内ページ
火渡り祭の歴史
火渡り祭の起源は修験道の修行に由来し、古代から高尾山が霊場として発展してきた背景と密接に関わっています。修験者にとって火行(かぎょう)修行は精神と肉体を鍛える重要な儀式であり、その一端が現代の火渡り祭として受け継がれています。
火渡り祭は、高尾山の御本尊である飯縄大権現の「衆生救済」の誓願に基づき、真言密教の教えと修験道の伝統に則って行われる儀式です。この歴史ある儀式は、炎の浄火を用いて災厄を祓い、世界平和や長寿を祈る修行の一環であり、火を渡る行為は「火生三昧(かしょうざんまい)」と呼ばれます。山伏が火を歩くことで煩悩を断ち、災厄を祓うこの修行は、現代にも受け継がれ、参加者に精神的な成長と浄化の機会を提供しています。
まとめ
高尾山薬王院の火渡り祭は、修験道の伝統を体験できる貴重な行事です。儀式の迫力や神秘性、そして自身の願いを込めて火を渡る特別な体験は、一生の思い出になるでしょう。
2025年の開催に向け、早めの計画を立ててぜひ参加してみてください!