高尾山薬王院の大本堂は、霊山・高尾山の中心的な存在であり、参拝者にとって重要な祈りの場です。1200年以上の歴史を持つ薬王院の象徴的な建物であり、日々多くの人々が訪れ、祈りを捧げています。以下に、大本堂の歴史、特徴、参拝のポイントを詳しく解説します。
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大本堂の基本情報
- 正式名称: 大本堂
- 建立年: 明治34年(1901年)に再建
- 建築様式: 入母屋造り、銅版葺き
- 所在地: 東京都八王子市高尾町2177
- アクセス: ケーブルカー「高尾山駅」から徒歩で約20分。
- 公式サイト: 高尾山薬王院 心を洗う山内めぐり
大本堂の歴史
- 創建: 高尾山薬王院は天平16年(744年)、聖武天皇の勅願により行基菩薩が開山しました。当初は薬師如来を本尊とする寺院でした。
- 中興: 永和年間(1375年頃)に俊源大徳が飯縄大権現を勧請し、中興本尊としました。
- 再建: 現在の大本堂は明治34年に建立されました。棟梁は小町若狭守小三郎源金道で、当時の技術を駆使した壮麗な建築です。
大本堂の特徴
1. 本尊
- 飯縄大権現: 大本堂の本尊で、不動明王の化身とされています。五体合相(不動明王、迦楼羅天、荼枳尼天、歓喜天、宇賀神)の姿を持ち、開運招福、厄除け、商売繁盛など多くのご利益があるとされています。
- 薬師如来: 創建当初の本尊であり、現在も飯縄大権現と共に祀られています。
2. 建築の美しさ
- 入母屋造り: 日本の伝統的な建築様式で、重厚感と荘厳さを感じさせます。
- 銅板葺き: 屋根には銅版が使用され、耐久性と美観を兼ね備えています。
- 正面の額: 「高尾山」の額は小松宮殿下の筆によるものです。
3. 護摩行
大本堂では毎日、僧侶による護摩行が行われています。具体的な時間は以下の通りです:
- 早朝勤行: 5:30(4月15日~10月31日)、6:00(11月1日~4月14日)
- 午前: 9:30、11:00
- 午後: 12:30、14:00、15:30
見どころ
1. 天狗像
- 大本堂周辺には、大天狗と小天狗の像があり、飯縄大権現の眷属として参拝者を見守っています。天狗は高尾山の象徴的存在でもあります。
2. 六根清浄石ぐるま
- 大本堂近くに設置されている石ぐるまは、六根(眼・耳・鼻・舌・身・意)を清めるための祈りの道具です。これを回しながら「六根清浄」と唱えることで、心身を清めることができます。
3. 周辺の文化財
- 薬王院大師堂: 東京都指定有形文化財で、江戸時代中期の建築様式を今に伝えています。
- 寛永古鐘: 江戸時代に鋳造された鐘で、歴史的価値が高いものです。
参拝のポイント
1. 参拝の作法
- 大本堂に入る前に一礼し、本尊に向かって「南無飯縄大権現」と唱えながら祈願を行います。
2. アクセスとルート
- 徒歩: 高尾山口駅から1号路を登り、約70分で到達します。
- ケーブルカー: 清滝駅から高尾山駅まで乗車し、そこから徒歩約20分で到達します。
3. 季節ごとの魅力
- 春: 桜が咲き誇り、境内が華やかに彩られます。
- 秋: 紅葉が美しく、大本堂周辺は特に見どころです。
- 冬: 雪景色の中での参拝は、静寂と神聖さを感じられます。
まとめ
高尾山薬王院の大本堂は、歴史的・宗教的な価値が高く、訪れる人々に深い感動を与える場所です。荘厳な建築や護摩行の迫力、周辺の文化財など、見どころが豊富です。ぜひ高尾山を訪れ、大本堂で心を清め、祈りを捧げてみてください。