こんにちは。高尾すみれ庵店長 和田貴世子です。
昨年(2022年)4月、高尾山の麓、清滝ケーブルカー駅前広場に「高尾すみれ庵」という甘味処を新規オープンさせて頂きました。
オープンの際、高尾フモト同盟さんで取材を受けたので、こちらもよろしければご覧ください。
高尾すみれ庵 ~半世紀ぶりに高尾山のフモト 清滝駅前にできた「おいなりさん」のお店~
高尾すみれ庵の看板メニューは2種類のおいなりさん。
登山前にこちらをテイクアウトして、高尾山に登られる方が徐々に増えているようです。
「高尾山の山頂で富士山を見ながら美味しく頂いたよ、ありがとう!」
とお礼の言葉を頂けると「お店を頑張って良かった。。」と、本当に嬉しくなってしまいます。
すみれ庵のおいなりさんを、今後ともご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
このように、すみれ庵の看板メニューはおいなりさんなのですが、今回は、高尾山に来られた方にぜひお試し頂きたい、すみれ庵の「隠れた人気商品」をご紹介させてください。
その商品の名は、『紅彩塩(べにさいしお)』といいます。
「なぜ、甘味処にお塩が置いてあるの?」と、皆さんから疑問の声が聞こえてきそうですね(笑)
皆さんの疑問に答えるべく、こちらの商品が高尾すみれ庵に置かれている背景や、誕生ストーリーについて皆さんにご紹介させて頂きたいと思います。ぜひ最後までお付き合い下さいね。最後に私のインタビュー動画があるので、こちらもぜひご覧下さい。
目次
塩離れが進む中、減塩でも美味しい塩の開発を目指した
健康志向が高まるなか、塩分の摂取を控える傾向が見られます。しかし、過度な塩分制限はミネラル不足を引き起こし、体調不良を招く可能性があるともいわれています。
塩は、私たちの健康に必要なミネラルを提供する大事な食材です。特に海塩は、人間の体液と同じ成分バランスを持つ海水から作られ、人間の身体に必要なミネラルを効率的に摂取できます。しかし、塩の持つ価値がしばしば見過ごされているのが現状です。
このように、塩離れが進んでいるなか、減塩にしても美味しいお塩は作ることはできないか?と相反する課題にチャレンジした会社がありました。
その会社こそ、高尾すみれ庵の運営関連会社である「和田食品株式会社」だったのです。
和田食品は、「食を通じて、幸せな未来を創る」というビジョンのもと、ほんのひとさじで食材の魅力をひきだすことのできる「旨味塩」を作れないか試行錯誤を始めました。
世界中の塩を試した結果、世界遺産シャークベイの海塩に辿り着く
そして、世界中の塩をいろいろと試した結果、世界一美しいといわれている世界遺産、オーストラリアのシャークベイの海塩に辿り着きました。シャークベイの海塩は、海水の自然蒸発により結晶化され、その過程で豊富なミネラルを保持します。
この自然の魅力を凝縮した逸品ともいえるシャークベイの海塩と、日本の出汁を融合させ、減塩なのに深い味わいのある「紅彩塩」が誕生しました。
そして、和田食品株式会社は、私の父、和田雅英が代表を務めています。
和田食品株式会社 代表取締役 和田雅英
和田雅英は、八王子市を拠点に塩の販売を行う「和田食品株式会社」の代表で、2016年7月に同社の3代目社長に就任しました。大学時代にはプロゴルファーを目指し、関東で1位、全国5位の成績を収め、1997年には日本代表として世界アマチュアに参加した経歴を持っています。
しかし、大学4年のときに家業を継ぐように父親(私のお祖父様です)に言われ、卒業後、そのまま会社に入ることになりました。それからは競争に勝つことだけを考え、孤独に奮闘する日々を送ることに。その結果、以前代表を務めた会社では社員との信頼関係が築けず、社長を退任することになりました。
このあたりの経緯は、父が現在参加させて頂いている「ワールドユー・アカデミー」で特集されているので、よろしければご覧ください。
「どんどん人が離れていく企業からの脱出 “孤独”や“不安”を克服し、心穏やかに」
しかし、その経験を糧に、和田食品の代表になってからは、独自の製法で旨みをつけたオリジナル旨味塩「紅彩塩」の製造・販売に尽力することになりました。
会社のビジョンは「食を通して幸せな未来を創る」こと。そのビジョンと情熱は和田食品が開発した紅彩塩に反映されています。現在の父は、食を通じて人々の幸せを創ることを追求。素晴らしい仲間とのご縁を大切にし、志高く繋がっていくことを信条としています。
世界遺産の塩と出汁の逢瀬 紅彩塩の誕生
和田食品の紅彩塩は、粗塩に干し椎茸、昆布、干し帆立貝などの国産素材を使って、独自の製法で旨味をつけた減塩の塩です。紅彩塩は、塩分が控えめなのに味わい深くてまろやかで、どんな料理にも合うという特徴があります。
先述したように、原料には世界遺産にも登録されているシャークベイの海塩が使用されています。シャークベイの塩は、オーストラリア西部にある世界自然遺産に登録されているシャーク湾の塩田で、太陽・風・土地の高低差という自然の力を使って、約3年の歳月をかけて結晶化された天日塩です 。
シャークベイの海塩は結晶が大きくて、白くて美しく、不純物がほとんどなく、まろやかで甘みがある味わいが特徴です。また、化石燃料をほとんど消費しない製法でつくられているので、環境にもやさしい塩といえます 。
シャークベイの海水は高い塩分濃度と多様な生物相が特徴です。マングローブや海草、サンゴ礁などが豊かな生態系を形成しているため、ミネラルが豊富に含まれているのです。
この海塩に日本の伝統的な出汁、国産の干しいたけと昆布、帆立を加えることで、深いコクと旨味が引き立てられます。昆布と帆立は北海道の日高産、椎茸は宮崎、大分、愛媛産と、出汁が美味しくとれる産地の素材を厳選しました。製造過程はほぼ手作業で行われ、一つ一つ丁寧に作られています。昆布と椎茸を寸胴鍋で煮出して、帆立パウダーを加えます。完成までには約1ヶ月の時間を要し、その間にじっくりと旨味が凝縮されていきます。
紅彩塩は、一般的な精製塩と比べてナトリウムの含有量を89.5%まで抑え、身体に必要なカリウムやマグネシウムなどのミネラルを摂取しながらも、塩分摂取量を抑えることが可能です。
血圧を気にする方、高齢者、塩分を控えないといけない方、健康を気にしながらも食事を楽しみたい方にとって、紅彩塩は新たな食生活の提案となるでしょう。紅彩塩を日常の食卓に取り入れ、健康と美味しさを両立した食生活を楽しんでみてはいかがでしょうか。
和田食品の工場長 蕪木(かぶらき)信二さんよりご挨拶
和田食品の工場長、蕪木信二さんをご紹介いたします。
蕪木さんは、パートスタッフから親しみを込めて「アイドル」と呼ばれていて、彼の業務は主に営業事務や配送、さらに繁忙期には製造にも携わっています。
蕪木さんの塩事業への想いは、「お客様に安心安全なお塩を届けて、健康になってほしい」というもの。彼はいつも笑顔で作業を行い、従業員全員が楽しく働ける環境を作り出しています。
また、「出汁は日本の文化であり共通言語。塩は世界中で使われているので、出汁を使った紅彩塩を世界中で売れたら幸せ」と夢を語っています。
すでにフランスの有名な日本人シェフから紅彩塩の注文があり、空港の預かりサービスまで届けに行ったこともあるのだとか。また、アメリカからも問い合わせがあり、いつかアメリカの食卓に紅彩塩の小瓶を見つけることを楽しみにしているそうです。
製造工程はほぼ手作業
工場内には最低限の製造機械しか置かれておらず、多くの工程が手作業で行われています。そのため、一日の生産量は限られることに。特に、天日干しの塩を使っているため小さな石が混ざることがあり、その石取りもひとつひとつ手作業で行われます。乾燥が終わった20kg分の塩をザルに入れ、塩から石を取り除く作業には、一人あたり1時間を要します。
また、袋詰めも手作業で行われています。スタッフが楽しく作業を行うことで、その楽しさが塩にも伝わり、最終的には食べる人にも伝わるようにと、想いを込めています。
工場では、4名のパートさんが楽しく紅彩塩を製造しています。パートさんは製造者でありながら、同時に消費者でもあります。自分の子どもに紅彩塩で作った料理を食べさせると、「おいしい、おいしい!」と言ってたくさん食べるそうです。嬉しいですね!
紅彩塩は白塩をベースに7種類のフレーバーを楽しめる
和田食品では、白塩と、白塩をベースにした7種類のフレーバー(胡椒・柚子七味・抹茶・胡麻・カレー・柚子レモン・ガーリック)の8種類をご用意しています。さらに、夏には期間限定でバジル塩もリリースしたことがあります。
新商品の開発は、社長も参加して行われています。新商品を作るとき、お客様の反応が変わる様子を見るのはとても面白いとのことです。これらの取り組みを通じて、和田食品は常に新しい味の提供を追求しています。
紅彩塩 商品名の由来
紫陽花のように彩り鮮やかという意味で、「あじさい」を文字って「べにさい」にしました。紅彩(べにさい)の「紅」は「万緑一紅(ばんりょくいっこう)」という四文字熟語から取っています。万緑一紅とは、たくさんあるものの中に、一つだけ優れたものがあることの例えであり、「たくさんある塩の中でも優れた塩」という想いが込められています。
「高い塩」というイメージから始まり、1個千円の商品は初めは全く売れませんでした。しかし、催事などで販売を続けることで少しずつファンが増えてきました。催事にしか出店していなかったため、わざわざ催事に来て購入するしかなかったんですけど(笑)
紅彩塩 おすすめの食べ方
紅彩塩のおすすめの食べ方は、やはり「塩おむすび」が一番です。紅彩塩はもともと甘みがある食べ物に合うので、特にお米との相性が抜群です。この塩おむすびですが、ある企業様で年間300万個販売することになりました。
また、トマトに振りかけてかぶりつくのもおすすめです。その他のレシピについては、紅彩塩の公式ウェブサイトにて公開されていますので、ぜひご覧ください。
以上、和田食品と私たちの製品「紅彩塩」についてお話ししました。健康と美味しさを両立した食生活を目指す皆様に、ぜひ一度お試しいただきたいと思います。
SNSで紅彩塩のレシピや塩の魅力を発信
職場の楽しい雰囲気を伝えるために、SNSへの投稿にも力を入れています。YouTubeで最近、トカトカダンスの動画を配信したんですよ。トカトカダンスとは、2022年末頃から若い世代を中心にTikTokで流行したダンスです。
選曲はパートスタッフが担当し、仕事前に全員で1時間ほど練習して撮影を行っています。なお、社長も一緒にダンスに参加しているんですよ(笑)
さらに、不定期でレシピコンテストも開催しています。今年も開催できればと考えており、告知はTwitterやInstagramで行う予定です。コンテストでは金賞と銀賞が設けられ、それぞれには商品が出ます。
紅彩塩 お取扱い店舗(2023年6月現在)
チェーンストア
・ディスカウント ドラッグコスモス全店
・スーパーALPS各店(※お取り扱いのない店舗様もございます。事前にお電話にてご確認ください。)
東京都/23区
東京都/23区外
・紅彩塩オンラインショップ
・はちまるステーション
・農産物直売所セレクトフード マルシェ802
・埼玉屋本店
・肉の富士屋
・梅干し専門店うめ八
・肉と氷のあかさか
山梨県
和田食品株式会社 基本情報
会社名:和田食品株式会社
代表取締役:和田 雅英
住所:192-0082 東京都八王子市東町10-3
電話:042-644-0227
事業内容:塩製造・塩販売事業
facebook:https://www.facebook.com/wadashokuhin/
Instagram:https://www.instagram.com/benisaishio/
twitter:https://twitter.com/benisaishio
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCKRMgQCFTSTu82wz5fQJgSA
社会貢献活動について
▼ 和田食品は、日本の未来を、学び・考え・行動する日本中小企業経営審議会に参加しています。
▼ 和田食品は、「豈プロジェクト」を応援しています。
2023年12月12日(火) 豈プロジェクト、文京シビックホールで開催します。
▼ 東京公演チケットのご案内はこちら
高尾すみれ庵 基本情報
店名:高尾すみれ庵
住所:東京都八王子市高尾町2208
電話:042-665-0176
営業時間:9:00~18:00(時期によって変動あり)
定休日:なし(時期によって変動あり)
ジャンル:カフェ・甘味処
facebook:@takaosumirean
Instagram:@takao_sumirean
取材の最後に 和田親子インタビュー動画
少し前(桜が満開の3月下旬)に、高尾すみれ庵の2階にある個室「すみれ」で、高尾すみれ庵や紅彩塩のこと、八王子地域の活性化や伝統文化の継承について、父と二人でお話させて頂きました。お時間があるときにご覧頂けると嬉しいです。
Reported by 和田貴世子( 高尾すみれ庵 )
Photo by 山本ミニ子( にちにち寫眞 )
Produced by 佐藤秀之( WEB参謀のSpyral )
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