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高尾登山電鉄 完全ガイド

清滝駅のケーブルカー ケーブルカー
清滝駅のケーブルカー

東京都八王子市に位置する高尾登山電鉄は、1927年にケーブルカーとして運行を開始して以来、地域の観光輸送の先駆けとして多くの登山者や観光客に愛され続けています。

この記事では、高尾登山電鉄の誕生から最新の運行状況、さらには高尾山の豊かな自然や文化、各種アクティビティまで幅広くご紹介します。

さらに、沿革や利用状況といった歴史的データ・統計も盛り込み、交通インフラの歩みとその魅力を立体的にお伝えします。

高尾登山電鉄の概要と会社情報

高尾登山電鉄は、地域の観光振興や高尾山への快適なアクセスを支える重要な交通機関です。ケーブルカーと、1964年に開業したエコーリフトなど、急勾配の運転や車両更新にも積極的に取り組んできました。

以下の表は、企業情報に沿革や運行の詳細情報など、最新の会社概要です。

参考:高尾登山電鉄公式サイト

項目内容
社名高尾登山電鉄株式会社
代表者取締役社長 久保 朝陽
設立年月日大正10年9月29日
資本金1億円
主な株主京王電鉄株式会社
宗教法人薬王院
株式会社みずほ銀行
事業概要鋼索鉄道(ケーブルカー)、特殊索道(二人乗り観光リフト)による旅客運輸事業及び高尾山上における食堂、高尾山さる園・野草園の経営。
また、不動産の賃貸事業も行なっている。
本社所在地〒193-8511
東京都八王子市高尾町2205番地
電話番号042-661-4151
FAX番号042-666-3572
URLhttps://www.takaotozan.co.jp/
事業所所在地鋼索鉄道:東京都八王子市高尾町2205番地
特殊索道:東京都八王子市高尾町2181番地
高尾山スミカ:東京都八王子市高尾町2182番地
展望台:東京都八王子市高尾町2181番地
さる園・野草園:東京都八王子市高尾町2179番地
ケーブルカー路線概要区間:清滝駅(標高201m)~高尾山駅(標高472m)
距離:1.0km
最大勾配:608‰(31度18分)
所要時間:約6分(通常15分間隔、混雑時は増発あり)
リフト路線概要区間:山麓駅(標高224m)~山上駅(標高462m)
距離:0.872km
所要時間:約12分(運行時間:9時?16時半、季節・曜日により変動)
2人乗り(ペット乗車不可)
運賃・乗車券【大人】片道490円/往復950円
【小児】片道250円/往復470円
※京王電鉄各駅(高尾山口を除く)で販売の「高尾山きっぷ」による割引あり
ICカード(PASMO・Suica)対応、障害者割引(ケーブルカーのみ半額)

歴史沿革と事業の歩み

高尾登山電鉄の歴史は、地域の観光需要の高まりとともに歩んできました。下記は、主な沿革の流れです。

設立から開業まで

  • 1921年(大正10年)
    高尾山薬王院の貫首・武藤範秀が、参拝客の利便性向上のためケーブルカー構想を提案。8月にケーブルカー事業免許が下付され、9月に「高尾索道株式会社」(資本金30万円)が設立される。
  • 1925年(大正14年)
    社名を「高尾登山鉄道」に変更し、工事を着工。
  • 1927年(昭和2年)
    1月21日、清滝駅?高尾山駅間のケーブルカーが開業。

戦時下および戦後の再建

  • 1930年代~1940年代前半
    戦争の影響を受け、1944年(昭和19年)2月にケーブルカーは営業休止となる。
  • 戦後
    1948年(昭和23年)、社名を「高尾観光」に変更。翌1949年10月16日にケーブルカー運行を再開し、1952年(昭和27年)に「高尾登山電鉄」に再度社名変更。

リフト開業・車両更新・京王グループ入り

  • 1964年(昭和39年)
    「エコーリフト」運転開始(当初は1人乗り、1971年より2人乗りに変更)。
  • 1968年(昭和43年)
    日立製作所製の3代目ケーブルカー車両を導入。
  • 2008年(平成20年)
    4代目車両「あおば号」と「もみじ号」に更新。
  • 2017年(平成29年)
    京王電鉄が株式の追加取得を行い、京王グループに編入された。

このように、長い歴史の中で培われた知見と最新技術の導入により、高尾登山電鉄は常に進化を遂げ、観光需要や利便性の向上に貢献しています。

運行情報と路線概要

ケーブルカー マウント富士号

ケーブルカー

  • 運行ルート
    清滝駅(標高201m)と高尾山駅(標高472m)を結ぶ全長1.0kmの路線。
  • 運行状況
    約6分で運行し、通常は15分間隔。混雑時は臨時増発が行われる。
  • 最大勾配
    608‰(31度18分)という日本一の急勾配を誇り、車窓からは四季折々の自然美が楽しめる。

リフト(エコーリフト)

  • 運行ルート
    山麓駅(標高224m)から山上駅(標高462m)までの0.872kmの区間。
  • 運行状況
    約12分の所要時間で、運行時間は平日・休日や季節によって変動。2人乗りで、快適な乗車体験を提供。
  • その他
    小動物(ペット)の乗車は不可。下りルート途中には写真撮影サービスも実施しており、記念写真の購入も可能。

運賃・割引

  • 【大人】片道490円/往復950円
  • 【小児】片道250円/往復470円
  • 割引きっぷ:京王電鉄の各駅(高尾山口を除く)にて「高尾山きっぷ」を発売
  • ICカード対応:PASMO・Suicaで購入可(チャージ機は別設置)
  • 障害者割引:ケーブルカーのみ、障害者手帳提示で半額

また、高尾山口駅からのアクセスも非常に便利で、徒歩約5分で清滝駅に到着。観光前のウォーミングアップとして、周囲の自然を楽しみながらゆったりと移動できます。

利用状況と統計データ

1日平均乗車人員(1990年から2013年)

高尾登山電鉄の各駅(清滝駅、高尾山駅、山麓駅、山上駅)の1日平均乗車人員は、2000年代後半から2010年代にかけて増加傾向にあります。

1990: 清滝 1,668 / 高尾山 1,592 / 山麓 805 / 山上 707
1991: 清滝 1,489 / 高尾山 1,429 / 山麓 762 / 山上 669

2012: 清滝 1,841 / 高尾山 2,021 / 山麓 876 / 山上 1,090
2013: 清滝 1,624 / 高尾山 1,816 / 山麓 915 / 山上 1,139

歴史的な輸送人員(1927年~1937年)

開業当初は年間輸送人員が30?40万人台で推移していましたが、昭和金融恐慌や戦局の影響で変動が見られます。

  • 1927年:350,979人
  • 1928年:348,861人
  • 1929年:297,991人
  • その後、1937年には390,080人まで推移
    (詳細な数値はグラフで確認できます)

これらのデータは、高尾登山電鉄が如何に地域の観光と交通インフラを支えてきたかを物語っています。

ケーブルカー乗り場「清滝駅」までのアクセス方法

ここでは、ケーブルカー乗り場「清滝駅」までのアクセス方法をご紹介します。

高尾登山電鉄 電車でのアクセスマップ
画像引用:高尾登山電鉄
  • 高尾山口駅からの徒歩ルート
    高尾山口駅から清滝駅までは徒歩約5分。この短い距離は、観光前の軽いウォーミングアップとしても最適で、周囲の自然を眺めながら歩くことができます。清滝駅に到着すると、ケーブルカー乗り場はすぐ目の前にあり、スムーズな乗車が可能です。
  • 交通の充実
    高尾登山電鉄は、都心からのアクセスも容易で、公共交通機関の利用や観光ガイドの案内が充実しているため、初めて訪れる方でも安心して移動できる環境が整えられています。

高尾山の観光スポット

高尾山は、その自然美と歴史的・文化的な魅力により、多くの観光客が足を運ぶ人気スポットです。以下は特に見逃せないポイントです。

高尾山薬王院

高尾山薬王院 本社
高尾山薬王院 本社
  • パワースポットとしての魅力
    参道沿いには数多くの茶屋や食事処が並び、名物のとろろそばや団子、さらには「天狗焼」などの地元グルメが楽しめます。
  • 歴史と霊気
    薬王院は信仰の対象としてだけでなく、その霊気を感じられる場所としても知られ、訪れた人々に心の平穏を提供します。

関連記事:高尾山薬王院有喜寺

高尾山さる園・野草園

高尾山さる園・野草園
高尾山さる園・野草園
  • 動物と植物のふれあい
    約80頭のサルや、300種に及ぶ山野草が自生する野草園は、家族連れや子供たちに絶大な人気を誇ります。ガラス越しにサルの愛らしい姿を観察したり、四季の移ろいを感じながら散策したりすることができます。

たこ杉

たこ杉
たこ杉
  • 伝説の大木
    樹齢約450年のたこ杉は、高尾山の象徴とも言える存在。伝説によれば、参道開拓の際にその根が道を開いたとされ、今では「開運」のシンボルとなっています。訪れる際は、この大木を見上げ、古き伝説に思いを馳せてみてください。

登山コースの紹介

高尾山ハイキングコース
画像引用:高尾登山電鉄 高尾山ハイキングコース

高尾山は、初心者から上級者まで楽しめる多彩な登山コースが整備されています。ここでは、代表的なコースをいくつか詳しくご紹介します。

1号路:初心者・ファミリー向けコース

1号路
1号路 浄心門付近
  • 特徴
    整備された舗装道が続くため、初心者や家族連れでも安心して楽しむことができます。
  • ルートの魅力
    道中には薬王院や茶屋が点在し、地元グルメの「天狗焼」などでエネルギー補給が可能です。

6号路(琵琶滝コース):自然満喫のルート

  • 特徴
    滝や川沿いの景観が美しく、自然のサウンドを楽しみながらハイキングできます。
  • ルートの魅力
    飛び石を渡るチャレンジングなポイントもあり、夏場は涼しさを感じられる絶好のコースです。

稲荷山コース:本格的な登山体験

稲荷山コース
  • 特徴
    整備されていない自然の地形をそのまま楽しむ、体力に自信がある方向けのルートです。
  • ルートの魅力
    急な階段や起伏のある道が続き、途中の展望台からは絶景が広がります。登りきった達成感が格別です。

周辺アクティビティ

高尾山周辺には、登山や観光に加え、ユニークな体験ができるアクティビティも豊富です。ここでは、特に注目すべきものをご紹介します。

高尾山ビアマウント

展望レストラン
  • 概要
    夏季限定のビアガーデンで、東京都心を一望しながら、地元のビールや特製料理を楽しむことができます。
  • 魅力
    夕暮れ時、山々がオレンジ色に染まる絶景をバックに、リラックスしたひとときを過ごせるスポットです。

関連記事:高尾山ビアガーデン

高尾・陣馬スタンプハイク

  • 概要
    春と秋に開催されるイベントで、複数のポイントでスタンプを集めると素敵な景品が当たる仕組みです。
  • 魅力
    家族や友人と一緒に参加することで、普段の登山に楽しさが加わり、自然の中で新たな発見を体験できます。

高尾山トリックアート美術館

高尾山トリックアート美術館
高尾山トリックアート美術館
  • 概要
    観覧者が実際にアートの一部となることができる、だまし絵や視覚トリックを展示する美術館です。
  • 魅力
    家族連れや子供たちにとって、楽しい写真スポットとしても人気。自然と調和した美術館の独特な雰囲気は、新たな視点を提供します。

関連記事:高尾山トリックアート美術館

まとめ

高尾登山電鉄は、歴史の中で培われた技術とサービスを通じ、急勾配のケーブルカーや快適なリフト運行により、誰もが手軽に高尾山の自然と絶景を体験できる交通機関として愛されています。

  • 豊かな歴史沿革
    1921年の創業から現在に至るまで、数々の改良と車両更新、京王グループ編入を経て、地域の観光需要に柔軟に対応。
  • 運行と利用状況
    定刻運行、利用者数の増加、最新の運賃・割引制度など、利用者目線に立ったサービス提供。
  • 観光・登山情報の充実
    高尾山薬王院やさる園・野草園、たこ杉といったパワースポットと多彩な登山コース、さらに周辺アクティビティが、訪れる方々に特別な体験を提供しています。

高尾登山電鉄と高尾山の魅力を存分に堪能し、自然と歴史に触れる特別なひとときをぜひお楽しみください!

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