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高尾山口駅 完全ガイド | 高尾山の玄関口を10倍楽しむ方法

高尾山口駅 高尾山
高尾山の玄関口 高尾山口駅

東京都八王子市にある 高尾山口駅(たかおさんぐちえき)は、京王電鉄高尾線の終着駅で、高尾山への玄関口として知られる人気スポットです。標高599mの高尾山は都心から気軽に行ける自然豊かな山で、年間約300万人もの登山者が訪れる世界有数のハイキングスポットとなっています 。高尾山口駅はその入口に位置し、登山客はもちろん観光客にも親しまれる魅力的な駅です。

この駅は1967年の開業以来、高尾山を訪れる人々を迎え続け、2015年には大規模リニューアルを行いました 。リニューアル後の駅舎は有名建築家・隈研吾氏のデザインで、木の温もりあふれる外観が特徴です。駅構内には観光案内所や日帰り温泉施設、アウトドア用品店などが併設されており、電車を降りた直後から高尾山観光を快適にサポートしてくれます。

本記事では、高尾山口駅をキーワードに、駅の基本情報や建築的見どころ、駅ナカ&直結施設、周辺の観光スポット、高尾山への登山情報、周辺の散策コース、グルメ・お土産情報、そして便利な実用Tipsまで総合的にご紹介します。

fumotori
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高尾山初心者の方もリピーターの方も、このガイドを読めば高尾山口駅を最大限に活用して高尾山エリアを楽しめることでしょう。それでは、高尾山の旅の始まりとなる高尾山口駅の魅力をじっくり見ていきましょう。

高尾山口駅の基本情報:所在地・アクセス・構造など

高尾山口駅

まずは高尾山口駅の基本データを押さえておきましょう。以下に駅の主要情報をまとめます。

項目内容
駅名高尾山口駅(たかおさんぐちえき)
所在地東京都八王子市高尾町2241
駅番号KO53
路線京王電鉄 高尾線(北野駅から8.6 km、新宿駅から44.7 km)
駅構造高架駅・1面2線の島式ホーム(行き止まりの終着駅)
開業1967年(昭和42年)10月1日
リニューアル2015年4月24日
デザイン隈研吾氏
特徴杉材を内外装に使用した木組み屋根
駅前広場ロータリー改修により拡大
観光案内所改札近くに設置(八王子観光協会運営)、営業時間:8:00~17:00 (12月~3月は8:00~16:00)、電話番号:042-673-3461、公式サイト:http://www.hkc.or.jp/
1日平均乗降人員約10,316人(2023年度)

アクセス

電車でのアクセス

高尾山口駅は京王高尾線の終点であり、京王電鉄の駅の中で最も西に位置する駅です。同時に、東京都内にある大手私鉄の駅としても最西端にあたります。新宿方面から京王線に乗り、高尾山口行きの電車(特急や急行も直通運転)で終点まで行けば、そのまま高尾山の麓に到着します。新宿駅からの所要時間は最速で約50分程度です。

高尾登山電鉄 電車でのアクセスマップ
画像引用:高尾登山電鉄

アクセスは電車以外にも、駅前に京王バスや神奈川中央交通の路線バス乗り場があります。登山シーズンやイベント時には、高尾山口駅と周辺を結ぶ臨時バスが運行されることもあります。

参考:「高尾山口駅」バス停の時刻表(神奈川中央交通)

車でのアクセス

市営高尾山麓駐車場
市営高尾山麓駐車場(駅まで徒歩1分)

また、駅前には有料駐車場も整備されていますが、紅葉シーズンや週末は早朝から満車になるほど混雑します。可能であれば公共交通の利用がおすすめです。

駅の構造

駅は1面2線のホーム構造で終着駅のため、列車は当駅で折り返します。改札口は1箇所のみで、駅舎は高尾山の表参道側(南側)にあります。エレベーターや多目的トイレも備えたバリアフリー対応駅で、ベビーカーや車椅子利用の方も安心して訪れることができます。こうした基本情報を踏まえて、次に駅舎そのものの見どころに注目してみましょう。

参考:高尾山口駅 構内マップ(京王電鉄)

駅舎は隈研吾設計の木造デザイン

高尾山口駅の新駅舎は、世界的な建築家・隈研吾氏の設計によるものです。2015年4月に改築工事が完了し、隈氏ならではの木を大胆に用いたデザインが高尾山の玄関口に誕生しました。特に目を引くのが、大きく張り出した寄棟(よせむね)風の屋根。高尾山中腹にある薬王院の伝統的建築様式から着想を得たもので、まるで山門のような迫力があります。この巨大な木造の大屋根が日常世界と霊山・高尾山を隔てる結界のように機能し、訪れる人々に「これから特別な場所に入る」というワクワク感を与えてくれます 。

屋根や外壁、内装にふんだんに使用されているのは地元八王子産のスギ材です。高尾山には天然記念物の「高尾山のスギ並木」がありますが、それにならって杉の香りに包まれる空間を演出しています。ホーム上にも木材が多用され、照明は行灯(あんどん)を模した暖色のライトが設置されていて、夕暮れ時には温かな光が漏れ出します。この柔らかな照明が乗客を非日常の山の世界へ誘う仕掛けになっているのです。

駅舎デザインのコンセプトは「環境と建築の一体化」「呼吸する建築」です。隈研吾氏自身、「実際に高尾山を訪れて感じた薬王院の長い歴史と文化を、駅舎デザインに継承したい」という思いを語っています。外壁には千本格子のような細かな木組みが施され、細部まで和のテイストを表現。駅名看板の横には高尾山ゆかりの天狗のマークがあしらわれ、随所に高尾山の歴史と自然を感じさせる演出が光ります。

この魅力的な駅舎デザインは高く評価され、2016年にはグッドデザイン賞を受賞しています。他にも鉄道建築協会賞入選や八王子市屋外広告物賞奨励賞など、数々の賞に輝きました 。まさに「高尾山の表玄関にふさわしい“和”と“自然との調和”を感じる駅舎」に生まれ変わった高尾山口駅。訪れた際はぜひゆっくりと駅舎を見上げ、そのデザインの妙を味わってみてください。木の香りと美しい意匠に、きっと心が和むことでしょう。

駅周辺施設

高尾山口駅は単なる通過点ではなく、駅構内・直結の施設がとても充実しています。ここでは駅ナカ&隣接施設をご紹介します。

高尾山口観光案内所「むささびハウス」

観光案内所 むささびハウス

改札を出てすぐ左手、木の温もりを感じる駅舎内に観光インフォメーションセンターがあります。2015年4月にリニューアルオープンした際に整備された案内所で、その愛称が「むささびハウス」です。高尾山にはムササビ(夜行性の動物)が生息していることにちなみ名付けられました。

営業時間は8:00~17:00(冬季は16:00まで)年中無休でスタッフが常駐し、日本語のほか英語対応も可能です。登山マップや周辺観光パンフレットが豊富に揃っており、不安な点はここで質問すればOK。高尾山初心者でも、まず「むささびハウス」に立ち寄れば安心です。

駅ナカショップ「セブンイレブン京王高尾楓kaede店」

セブンイレブン京王高尾楓kaede店
セブンイレブン京王高尾楓kaede店

改札を出て右手すぐの場所には、土産物や飲食物、登山グッズを扱うショップ「楓(かえで)Kaede」があります。こちらは駅のリニューアル時にコンビニ(K-shop)から生まれ変わった店舗で、アウトドアメーカーのモンベル(Montbell)と提携し登山用品の品揃えを充実させているのが特徴です 。

おにぎりや飲み物はもちろん、急に必要になったレインコートや軍手、トレッキングポールといったギア類も入手可能。ここでしか買えない高尾山ロゴ入りグッズもあり、登山記念のおみやげ探しにもぴったりです 。営業時間は朝9時~17時頃(季節により変動)なので、登山前に買い忘れ物がないかチェックしてみましょう。

コインロッカー

高尾山口駅 京王線高架下コインロッカー
京王線高架下コインロッカー

大きな荷物を持って登山するのは大変ですが、駅にはコインロッカーが複数設置されているので安心です。改札を出て右手および左手の通路沿いにあり、どちらも日帰り温泉施設「京王高尾山温泉」へ続く通路沿いです。ハイキングに不要な荷物はロッカーに預け、身軽に山歩きを楽しみましょう。

トイレ

改札外のトイレ
改札出て左にあるトイレ

また、改札内外にトイレも整備されています 。駅前の市営高尾山麓駐車場内には多目的トイレ(だれでもトイレ)がありますので、出発前に利用できます。

京王高尾山温泉 極楽湯

京王高尾山温泉 極楽湯

駅直結施設として見逃せないのが、日帰り温泉「京王高尾山温泉 極楽湯」です。改札を出て右に進み、専用通路を少し歩くと木造和風建築の温泉棟があります。これは京王電鉄が地域活性化の一環として建設し、2015年10月にオープンした天然温泉施設です。

極楽湯への専用通路入口
極楽湯への専用通路入口

登山客からは「高尾山の下山後に温泉で汗を流せる!」と大好評。男女別の大浴場には露天風呂やサウナも完備されており、アルカリ性単純温泉のお湯が疲れた身体を癒やしてくれます。朝は8時から夜22時半(最終入館21時45分)まで営業しているので、早朝登山後でも夕方下山後でもゆっくり湯浴みが楽しめます。

極楽湯エントランス
極楽湯エントランス

料金は大人1,100円(土日祝は1,300円)で、館内には休憩スペースや軽食処、マッサージコーナーもあります。登山帰りに極楽湯でさっぱり汗を流し、温まりながら今日の登山を振り返る――なんとも贅沢な締めくくりですね。。

足湯付きイタリアン「高尾山ふもとや」

駅舎2階にはユニークなイタリアンレストランがあります。高尾山FuMotoYA(ふもとや)といい、本格石窯ピザやパスタが人気のイタリアンレストランです。大きな窓からは甲州街道沿いの緑を眺めながら食事ができ、なんとテラス席には足湯も設置されています 。

ふもとやの足湯

登山の疲れを足湯で癒やしつつ、美味しいビールやコーヒーで乾杯する…といった楽しみ方も。朝はカフェ営業でモーニング利用も可能なので、登山前にここでエネルギー補給をしていく地元常連さんも多いようです。

ホテル「タカオネ」

さらに2021年には駅前に活動型ホテル “タカオネ”がオープンしました 。高尾山口駅から徒歩1分という好立地で、北欧風のおしゃれな客室とカフェラウンジを備えた宿泊施設です。

タカオネエントランス周辺
タカオネ エントランス周辺

宿泊はもちろん、日中はカフェ利用だけでもOK。登山前日に泊まって早朝から登山開始したり、下山後に一泊して温泉とビールで疲れを癒やしたりと、高尾山の新しい楽しみ方を提案してくれます。こうした駅直結・周辺の施設が揃った高尾山口駅は、まさに「降り立ってから楽しめる駅」なのです。

高尾山口駅周辺の観光スポット

高尾山口駅周辺には、高尾山に登る前後に立ち寄れる楽しい観光スポットも点在しています。ここでは代表的な見どころをご紹介しましょう。

高尾山トリックアート美術館

駅を出てすぐ左手にあるユニークな美術館です。外観からして壁をよじ登る人のだまし絵が描かれており、興味をそそられます。館内では視覚の錯覚を利用した不思議なトリックアート作品が多数展示されており、ただ「見る」だけでなく自分が作品の中に“参加”できる体験型美術館になっています。

例えばライオンに襲われるシーンや暗い牢屋に閉じ込められるシーンでは、決定的瞬間の写真を撮影するための「カメラポイント」が用意され、ポーズをとって写真を撮ると本当に体験しているような面白写真が撮れるのです。「騙されることで脳が活性化する」とも言われ、子どもから大人まで大笑いしながら楽しめます。

高尾山トリックアート美術館 オープンテラスのカフェ

館内を一通り遊んだ後は、おしゃれなオープンテラスのカフェで一息つくこともできます。高尾山登山前のウォーミングアップや、下山後のクールダウンに、笑いに満ちた不思議体験はいかがでしょうか。※木曜定休、入館料:大人1,550円ほか。

TAKAO 599 MUSEUM(高尾599ミュージアム)

駅から徒歩4分ほど、旧「高尾自然科学博物館」の跡地に2015年開館した新しい博物館です。名前の「599」は高尾山の標高(599m)に由来しています。ここは八王子市が運営する入館無料の自然史博物館で、高尾山の動植物に関する展示が充実しています。

館内1階は開放的な吹き抜け空間で、四季折々の高尾山の写真映像や、大きな樹木のレプリカ、高尾山に生息する昆虫や野鳥・哺乳類の剥製標本などがずらり。たとえば高尾山で見られるムササビ(夜行性動物)やイノシシの剥製が展示された壁面に、プロジェクションマッピングで四季の森の映像が映し出される演出もあります。

植物標本はアクリル封入されたものが美しく照らされ、アートのように楽しめます。高尾山は約1,600種もの植物が生息し、その数はイギリス全土の植物種数に匹敵すると言われます。また昆虫も数千種が確認され、昆虫愛好家の聖地とも呼ばれるほどです。

599ミュージアムではこうした高尾山の豊かな自然について学び遊べるので、登山前に予習したり下山後に振り返ったりするのに最適です。館内にはオシャレな「599カフェ」やミュージアムショップもあり、芝生広場には「599」のモニュメントがフォトスポットになっています。

高尾山麓 氷川神社

高尾山麓 氷川神社と満開の桜
氷川神社と満開の桜(2025年4月4日撮影)

駅から歩いて3~4分、登山道とは反対方向(駅を出て左手方面)に進むと現れるのが氷川神社です。高尾山の麓に鎮座する歴史ある神社で、創建は江戸時代以前とも伝えられています。入口には赤い大鳥居があり、そこから始まる参道がとても雰囲気豊かです。参道を進むと二の鳥居、手水舎(ちょうずや)、狛犬などがあり、木々に囲まれた静かな境内には清らかな空気が満ちています。

二代目御神木
二代目御神木

見どころは、本殿裏手にそびえる樹齢数百年とも言われる御神木の杉です。「二代目御神木」と呼ばれるこの巨木へは社殿脇から山道を登って行くのですが、かなり急な細道でまるでミニ登山のよう。頂上に御神木が鎮座しており、その足元には賽銭箱が置かれていて参拝もできます。スリル満点の山道ですが、神秘的な杉の姿にパワーをもらえるスポットです。

御神木へ続く山道
御神木までの山道はスリル満点

氷川神社は高尾山登山の安全を祈願するのにもふさわしく、登山前後にぜひ立ち寄りたい場所です。初詣時には多くの人でにぎわいますが、普段はひっそりしているので心静かに参拝できます。駅から近いとは思えないほど豊かな自然に包まれた穴場スポットです。

高尾登山電鉄 清滝駅(ケーブルカー乗り場)

清滝駅と満開の桜(2025.4.4 撮影)

観光スポットというより交通施設ですが、ケーブルカーの清滝駅も駅周辺の見どころの一つです。高尾山口駅から徒歩5分ほど歩いた所(高尾山の登山口)にあります。昭和レトロな趣ある駅舎は1939年築で、三角屋根がかわいらしいデザイン。ここから山上駅までケーブルカーが出ています。

清滝駅前にはお土産店やお蕎麦屋さんがあります。紅葉の時期には清滝駅周辺の木々が色づき、駅舎と紅葉のコントラストが絵になるため、思わず写真を撮りたくなるスポットです。

以上が高尾山口駅周辺で立ち寄れる主なスポットです。この他にも、高尾山口~清滝駅の周辺には素敵なカフェや陶芸体験工房なども点在しています。時間に余裕があれば、こうした寄り道も含めて高尾のフモト散策を楽しんでみてください。

高尾山へのアクセスとコース案内

高尾山口駅に着いたら、いよいよ高尾山への旅が始まります。ここでは高尾山へのアクセス方法と、登山の楽しみ方について解説します。

高尾山へのアクセス方法は大きく分けて2通りあります。一つは徒歩での登山、もう一つは途中までケーブルカーまたはリフトを利用する方法です。体力や目的に応じて最適なルートを選びましょう。

徒歩で登る場合(登山コース紹介)

高尾山には公式に整備された登山道が複数あり、表参道コースである「1号路」をはじめ、「1号路~6号路」の自然研究路や「稲荷山コース」などのルートが用意されています。

初心者や観光目的の方には、舗装された1号路(表参道コース)がおすすめです。山頂までの距離は約3.8km、所要時間はゆっくり歩いて約90分ほど。道幅が広く歩きやすく、途中には歴史ある高尾山薬王院や売店・茶屋が点在しており、見どころも豊富です。中腹にある薬王院では天狗像やお守り、精進料理など高尾山ならではの文化体験も楽しめます。

1号路入口

もっと自然を感じたい方には、6号路(びわ滝コース)や稲荷山コースも人気です。6号路は沢沿いを歩く涼やかなコースで、滝や小川のせせらぎに癒されます(所要90分~2時間)。稲荷山コース(見晴らし尾根コース)は尾根沿いの道でアップダウンがあるものの、展望の良いベンチ休憩所もあり、眺望を楽しみながら歩けます。どちらも整備されていて初心者でも安心ですが、雨天時は滑りやすいので注意が必要です。

稲荷山コース 稲荷山展望台からの眺望
稲荷山コース 展望台からの眺望

ケーブルカー・リフトを使う場合

登山の負担を軽減したい方には、ケーブルカーまたはリフトの利用がおすすめです。いずれも高尾登山電鉄によって運行されており、山麓の「清滝駅」(高尾山口駅から徒歩約5分)から標高472mの中腹までアクセスできます。

ケーブルカー清滝駅
ケーブルカー清滝駅

ケーブルカーは2駅間(1.0km)を約6分で運行し、最大135人が乗車可能。最急勾配は31度18分と、日本一の急傾斜を誇り、まるでジェットコースターのようなスリルが味わえます。車窓からの森林景色も魅力のひとつです。

リフトは2人乗りのオープンチェア式で、約12分かけてゆっくりと山腹へ向かいます。足元が空中に浮いたような感覚で、スキー場のリフトのような開放感が楽しめます。天気が良ければ風を感じながら爽快な空中散歩ができます。

ケーブルカー高尾山駅
ケーブルカー高尾山駅

どちらも標高差約271mを一気にカバーでき、体力に不安がある方や時間を短縮したい方にぴったりです。登りはケーブルカー、下りは徒歩という組み合わせも人気のスタイルです。

ケーブルカーの降り場(高尾山駅)に着けば、山頂までは残り約50分程度、傾斜も緩やかな遊歩道になっています。リフトの場合は降り場(山上駅)がケーブルカー駅より少し下にあるので、そこから徒歩で少し登ると合流できます。

高尾山登山の楽しみ方&季節の見どころ

高尾山口駅から登山を開始したら、高尾山ならではの自然や文化をたっぷり満喫しましょう。途中の見どころや季節ごとのハイライトを押さえておきます。

薬王院での参拝

高尾山薬王院 大本堂
薬王院 大本堂

表参道コース(1号路)を選んだ場合、中腹にある高尾山薬王院はぜひ立ち寄りたいスポットです。開山は744年と伝わる古刹で、飯縄大権現(いづなごんげん)という神仏習合の神様を祀っています。山門から本堂へ続く石段沿いには天狗の像が迎えてくれ、境内は霊気に満ちた厳かな空気。登山の安全を祈願してお参りしたり、御朱印を頂いたりする人も多いです。また薬王院名物の精進料理(要予約)はここでしか味わえない名物です。

四季折々の自然

高尾山は一年を通じて自然美が楽しめますが、中でも秋の紅葉と春の桜・新緑は格別です。11月中旬~下旬には山全体がカエデやブナの紅葉で彩られ、麓から山頂までグラデーションのような紅葉狩りができます。特に薬王院周辺やもみじ台と呼ばれるエリアの紅葉は見応え抜群です。

春は4月上旬頃に麓の桜が咲き、山頂付近ではヤマザクラが見られます。

大見晴台から眺める山桜
頂上(大見晴台)から眺める山桜

5月には新緑が眩しく、森の生命力を肌で感じられるでしょう。夏は木陰が涼しく、運が良ければセミの羽化や夜間にムササビが滑空する姿を見ることも。冬は空気が澄み、山頂から富士山がクッキリ見える日も多いです。1~2月の早朝には山頂で「ダイヤモンド富士」(富士山頂に朝日が重なる現象)が観察でき、カメラマンが集まります。高尾山の秋を彩るカエデの紅葉。11月中旬には駅周辺から山頂まで美しい紅葉が楽しめ、多くのハイカーで賑わいます。

展望台と山頂グルメ

高尾山の山頂(標高599m)に到着したら、まずは富士山や関東平野の絶景を堪能しましょう。天気が良ければ東京スカイツリーや新宿副都心のビル群まで遠望できます。山頂にはベンチやテーブルがあり、お弁当を広げる人も多いです。

高尾山山頂から富士山を眺める
山頂から眺める富士山

また山頂売店では名物のとろろ蕎麦やおでん、ソフトクリームなどの軽食も販売しています。冷えた体に山菜そばの温かい汁が染み渡ったり、夏に飲む生ビールが最高だったりと、山頂グルメも外せません。

さらにケーブルカー山上駅付近の「高尾山スミカ」と呼ばれる商業施設には、展望レストランや土産店があります。夏季限定でビアガーデン「高尾山ビアマウント」もオープンし、夜景を見ながら飲み放題・食べ放題を楽しめます。昼とは違う夜の高尾山も魅力的ですよ。

高尾山スミカ
高尾山スミカ

このように、高尾山口駅から高尾山に登るプロセス自体が一大アトラクションと言えます。初心者の方は無理せず、ケーブルカーや休憩所を上手に活用しながら、山頂までの道のりを楽しんでください。登山道はよく整備されていますが、山道ですので滑りにくい靴や動きやすい服装で挑み、安全第一で行動しましょう。

高尾山以外の周辺散策コース

高尾山だけでなく、高尾山口駅周辺には他にも魅力的なハイキングコースがあります。時間と体力に余裕があれば、少し足を延ばして周辺の里山散策を楽しんでみましょう。

草戸山・榎窪山コース(南高尾山稜コース)

高尾山口駅は実はもう一つの登山口でもあります。それが南側に連なる南高尾山稜への玄関口です。高尾山とは反対方向(駅を出て直進〜右手方面)に進むとハイキングコースの入口があり、そこから草戸山(くさとやま)を経て榎窪山(えのくぼやま)方面へ至る周回コースを歩けます。

草戸山は標高364mで、高尾山(599m)の半分ちょっとの高さです。登山道はよく整備されており、適度なアップダウンはありますが全体的にのんびり歩ける山です。山頂は開けていてベンチもあり、天気が良ければ関東平野の眺望が楽しめます。

草戸山
草戸山からの眺望(2024.12.15)

さらに先の榎窪山(420m)まで縦走し、三沢峠を経由して高尾山口駅に戻ってくるといった周回も可能です。距離は高尾山往復よりやや長い程度で、所要約4~5時間の行程になります。南高尾エリアは表高尾(高尾山側)に比べて人出が少なく静かな雰囲気が魅力です。春には可憐な野草が咲き、秋は紅葉というよりススキの穂波が美しい隠れた名所です。中級者向けですが、静寂な山歩きを求める方にはおすすめのコースです。

グルメ&ショッピング

高尾山の楽しみは自然や文化だけではありません。美味しいグルメやお土産ショッピングも旅の醍醐味です。高尾山口駅および高尾山エリアでぜひ味わいたい名物や、立ち寄りスポットをご紹介します。

高尾山名物「とろろ蕎麦」

紅葉屋本店の山菜とろろ天ぷらそば
紅葉屋本店「天ぷらとろろ山菜そば」

登山者に昔から愛されているローカルフードといえば「とろろ蕎麦」です。とろろ蕎麦とは、山芋(自然薯や長芋)をすりおろしたとろろ汁を冷たい蕎麦または温かい蕎麦にかけて食べる一品。高尾山では精進料理の一環として古くから親しまれてきました。

麓から山頂まで蕎麦処が点在し、各店で個性豊かなとろろ蕎麦が味わえます。麓ならケーブルカー清滝駅前の「髙橋家」や「紅葉屋本店」など老舗が有名で、風情あるお座敷でいただく手打ち蕎麦は格別です。

山頂の茶屋でも提供しており、登頂のご褒美にすする蕎麦は最高です。とろろには滋養強壮効果もあり、登山の疲れを癒やしてくれるでしょう。

天狗焼(てんぐやき)

天狗焼
天狗焼

高尾山発のスイーツで一番人気なのがこの天狗焼です。黒豆をふんだんに使った餡をカリッ&モチモチの生地で包み、天狗の顔型に焼き上げた饅頭菓子で、2007年の発売以来高尾山を代表する名物となりました。販売所は高尾山頂上ではなく、ケーブルカー高尾山駅横の「高尾山スミカ」の売店です。

1個250円で行列必至ですが、焼きたてアツアツの天狗焼は絶品!外は香ばしく中は甘さ控えめの黒豆あんがぎっしり詰まっています。食べ歩きグルメのNo.1人気との触れ込みもうなずける美味しさなので、高尾山に来たらぜひとも味わってみてください。なお売り切れ次第終了なので、午後遅くなると手に入らないことも。早めの時間帯にチェックしましょう。

山麓グルメとカフェ

高尾山口駅周辺でも食事処やカフェが充実しています。先述のイタリアン「高尾山ふもとや」では石窯ピザやパスタが楽しめます。ふもとやには足湯(利用者は無料)が併設されており、足湯に浸かって疲れた足を癒やすのも贅沢ですね。下山後には、汗をかいた体にキンキンに冷えた生ビールやソフトクリームが最高です。

タカオネ1階にある「タカオネキッチン」

高尾山口駅徒歩1分の活動型ホテル「タカオネ」の1階「タカオネキッチン」では地元クラフトビール(TAKAOビール)、清滝駅近くの「高尾マウンテンハウス」ではおしゃれなコーヒースタンドとバーがあり、若いハイカーで賑わっています。

お土産ショップ

思い出に残るお土産探しもお忘れなく。駅ナカのコンビニ「楓Kaede」では高尾山限定グッズ(Tシャツ、タオル、キーホルダーなど)や地元八王子の名産品を購入できます。他にもケーブルカー清滝駅「売店やまゆり」や周辺の土産店、薬王院の授与所など、各所で特色ある品が揃います。おすすめは高尾山せんべい(天狗の焼印入り煎餅)や高尾山まんじゅう(黒豆餡饅頭)、天狗グッズ(天狗面のミニチュアやストラップ)など。

599 SHOP
599 SHOP

自然がテーマの599ミュージアム内にある「599 ショップ」では動植物をモチーフにした雑貨や図鑑も売っています。薬王院では開運御守や健康祈願のお守り、天狗の絵馬などスピリチュアルなお土産も人気です。自分用には登山記念の高尾山バッジ(条件を満たすとプレゼントされる)を集めるのも定番ですね。

このように、高尾山口駅~高尾山エリアはグルメもショッピングも充実しています。登って良し、食べて良し、買って良しの三拍子揃った高尾山観光を満喫してください。

実用情報&Tips

最後に、高尾山口駅と高尾山を利用するにあたって知っておくと役立つ実用的な情報やTipsをまとめます。快適で安心な旅にするためにチェックしておきましょう。

混雑状況と回避法

高尾山は秋の紅葉シーズンや春の新緑シーズン、週末や連休になると非常に混雑します。ケーブルカー清滝駅から長蛇の列ができ、乗車まで1時間待ち…なんてことも珍しくありません。混雑を避けるには、早朝に行動するのが一番です。紅葉時期などは朝7~8時台に駅に着けば比較的スムーズに登山できます。また、可能なら平日に訪れるのも良いでしょう。静かに参拝・登山したい場合は平日午前中がおすすめです。下山時も午後になるとケーブルカーや温泉が混むので、時間に余裕を持って行動しましょう。

逆に、混雑覚悟でもイベント時に行く価値があるのが大晦日~元旦(終夜運転で初日の出登山が可能)や夏のビアマウントなどです。状況に応じて計画を立ててください。

天候・服装対策

高尾山は低山ですが天候は変わりやすく、舐めてかかると痛い目に遭います。夏は都心より気温が低めとはいえ湿度が高く汗をかきやすいので、速乾性の服や着替え、タオルを用意しましょう。冬は山頂付近で積雪・凍結することもあります。軽アイゼン(簡易滑り止め)を持参すると安心です。

雨具(レインウェア)は季節問わず必携で、急な夕立や木漏れ日に備えましょう。春秋は薄手の上着をリュックに忍ばせ、体温調節しやすい服装がベストです。また虫除け対策も必要で、夏~秋は蚊やブヨがいますので虫よけスプレーを。マムシやスズメバチも稀に出没するので、草むらに不用意に入らない・黒っぽい服は避けるなど基本的な注意を払いましょう。

駐車場情報

市営高尾山麓駐車場
市営高尾山麓駐車場 全景

高尾山口駅周辺には有料駐車場がいくつかあります。駅前の「市営高尾山麓駐車場」(約80台収容)や、少し離れた場所に民間の駐車場があります。ただし、行楽シーズンや週末は朝早くから満車になりやすく、特に紅葉の時期は渋滞も発生します。

どうしても車で行く場合は、朝8時前には到着するようにしましょう。それ以降の場合、高尾山口駅から離れたコインパーキングや、JR高尾駅周辺の駐車場に停めて電車で一駅移動する方法も検討してください(高尾駅周辺は比較的駐車場が多いです)。駐車料金は1日800円~1500円程度が相場です。いずれにせよ、できれば公共交通で訪れるのが渋滞ストレスもなくおすすめです。

持ち物リスト

高尾山ハイクに必要な持ち物をリストアップしておきます。参考にしてください(※季節や天候によって調整)。

  • 履きなれた運動靴(トレッキングシューズが望ましい)
  • リュックサック(両手が空くザックが便利)
  • 雨具(折りたたみ傘よりレインウェアが◎)
  • 飲料水(ペットボトルや水筒。夏は多めに)
  • 行動食(おにぎり、パン、エナジーバーなど手軽に食べられるもの)
  • タオル・汗拭きシート(汗対策や応急処置にも)
  • 帽子(夏は日除け、冬は防寒に)
  • 防寒着(フリースやウインドブレーカー。季節に応じて)
  • 地図(紙地図またはスマホの地図アプリ)
  • 救急用品(絆創膏、常備薬、簡易エマージェンシーセット)
  • 虫よけスプレー・日焼け止め(必要に応じて)
  • 現金(山頂や茶屋はカード不可が多いので小銭も用意)

必需品は以上ですが、ケーブルカーや売店もあるため比較的装備は軽くても大丈夫です。ただし高尾山を侮らないこと。「ちょっと高い丘」くらいに思って普段着で来ると、途中で辛くなったり天候急変で困ったりします。きちんと準備して安全に楽しみましょう。

その他サービス

高尾山口駅には無料のWi-Fiサービスはありません。以前は、無料のWi-Fiサービス(Keio_Free_Wi-Fi)があり、駅構内でインターネット接続が可能でした。登山前に天気予報を確認したり、帰りの電車時刻を調べたりするのに便利でしたが残念ですね。

また駅改札横には自動販売機や傘レンタル(有料)もあります。

高尾山口駅の傘レンタルサービス
改札出て左側にある傘レンタルサービス

下山後、靴が泥だらけになったら駅前の高尾ふもと公園に備え付けられた水道で簡易的に洗い流すこともできます。

高尾山ふもと公園の洗い場
高尾山ふもと公園の洗い場

さらに、忘れ物をしても駅ナカのコンビニ「楓kaede」で大抵のものは揃うので慌てず探してみましょう(靴紐やレインポンチョ、カメラの電池まで売っています)。

楓のMont-bellグッズ
楓のMont-bellグッズ

登山届けの提出は義務ではありませんが、不安な人は改札口にある「登山届提出箱」にポストしておくと安心です。

以上のポイントに気を付ければ、高尾山口駅での旅はきっと快適になるはずです。では最後に今回の内容をまとめましょう。

高尾山口駅 完全ガイド まとめ

高尾山口駅は単なる鉄道の終点ではなく、高尾山観光のスタート地点にして見どころ満載のスポットでした。駅舎自体の魅力(隈研吾デザインの木造建築と大屋根のインパクト)に始まり、駅構内の観光案内所「むささびハウス」や登山用品店、足湯併設のイタリアンなど設備も充実。駅直結の京王高尾山温泉 極楽湯では下山後に疲れを癒せ、駅前の氷川神社に参拝すれば旅の安全祈願もできるといった具合に、到着してからすぐに楽しみが広がります。

周辺には高尾山トリックアート美術館TAKAO 599ミュージアムといった立ち寄りスポットも豊富で、高尾山に登らなくても1日過ごせるほど。もちろんメインは高尾山登山ですが、ケーブルカーやリフトを使えば初心者も気軽に絶景と自然を満喫できます。四季折々に美しい表情を見せる高尾山は、何度訪れても新しい発見があります。高尾山口駅はそんな高尾山へのアクセス駅として年々進化し、訪れる人を暖かく迎える玄関口となっています。

最後に、高尾山口駅を最大限に活用するコツを振り返っておきましょう。

  • 早起きは三文の徳:朝早く着けば混雑を避けられ、静かな森を満喫できます。
  • 駅のサービスを利用し尽くす:案内所で情報収集し、ロッカーに荷物を預け、必要なら登山グッズを調達。帰りは温泉で汗を流してさっぱり!
  • 周辺観光もセットで計画:時間があれば美術館や神社にも立ち寄り、高尾エリアをまるごと楽しむ。
  • 安全第一で楽しむ:準備と装備を整え、無理のない登山プランで自然を堪能する(困ったときはビジターセンターや観光案内所に相談)。

都会の喧騒を離れて大自然と文化が調和する高尾山へ。新宿から約1時間で辿り着く高尾山口駅は、その入り口として最高のおもてなしを提供してくれます。ぜひ本記事を参考に、高尾山口駅を拠点とした充実の高尾山旅に出かけてみてください。

fumotori
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きっと心身ともにリフレッシュできる素敵な時間が待っています。さあ、次の休日は高尾山口駅で降りて、高尾山の魅力を余すところなく味わい尽くしましょう!

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