八王子市にお住まいの方、あるいは日常的に甲州街道(国道20号)を利用する方なら、誰もが一度は感じたことがあるのではないでしょうか。「この渋滞、いつになったら解消されるんだろう…」と。その長年の課題を解決する切り札として、壮大なスケールで建設が進められているのが「八王子南バイパス」です。
しかし、その全体像や進捗状況は、断片的な情報しかなく、意外と知られていないのが実情です。
「いったい、いつ全線開通するの?」 「今、工事はどこまで進んでいる?」 「完成したら、私たちの生活はどう変わる?」

この記事では、そんな皆様の疑問に答えるため、複雑なプロジェクトの全体像を一枚の「インフォグラフィック」にまとめました。
数字とデータで見る、八王子の未来への道。ぜひ、スクロールしながらその壮大な計画の”今”をご覧ください。
▼八王子南バイパスの進捗はこちらの記事で詳しく解説しています。
八王子の未来を繋ぐ道
国道20号 八王子南バイパス プロジェクト解体新書
2025年7月11日時点
なぜこの道が必要なのか?
国道20号(甲州街道)の慢性的な交通渋滞は、八王子市が長年抱える課題です。八王子南バイパスは、市街地を迂回するルートを確立し、交通を分散させることで渋滞を緩和、圏央道へのアクセスを劇的に改善することを目的としています。この全長9.6kmの新しい道は、無料の一般国道として、私たちの生活をよりスムーズで快適なものに変える可能性を秘めています。
プロジェクトの現在地
事業全体の進捗率
用地取得が先行し、現在はトンネルや橋梁などの大規模な構造物工事がプロジェクト全体の進捗を左右しています。
用地取得率
事業に必要となる土地のほとんどは取得済みであり、プロジェクトが後戻りできない段階にあることを示しています。
開通区間の割合
全体の約3分の1が開通済み。残りの区間、特に次に開通予定の区間の完成が待たれます。
これまでの道のり
第1期 開通
館町~南浅川町区間 (約1.2km) が開通。圏央道 高尾山ICへのアクセスが向上。
第2期 開通
大船町~寺田町区間と接続部 (計約2.0km) が開通。医療センター周辺の利便性が向上。
5つの工区:進捗フローチャート
八王子南バイパスは5つの工区に分けて建設が進められています。東側(起点)から西側(終点)へ、各工区の現在のステータスを見ていきましょう。
北野町~片倉町
片倉トンネル
(最難関)
片倉町~大船町
用地取得・改良工事
大船町~寺田町
大船寺田高架橋
(次期開通区間)
寺田町~館町
館第二トンネル
館町~南浅川町
高尾山IC接続
プロジェクトの壁:2つのトンネル
トンネル延長比較
片倉トンネル (未着工)
JR・京王線、そして住宅地の下を通過する計画。生活や鉄道運行への影響を最小限に抑える必要があり、非常に高度な技術が求められる最難関の工区です。
館第二トンネル (設備工事中)
想定以上に硬い「頁岩」という岩盤に阻まれ工事が難航しましたが、掘削は完了。現在は照明や換気など内部設備の工事が進んでいます。