高尾山の麓、標高201mの清滝駅に到着し、いよいよ山登り開始!…の前に、多くの人が最初の選択を迫られます。それは、山の「中腹」まで運んでくれる乗り物、「ケーブルカー」と「リフト」、どちらに乗るか?という問題です。
料金は同じ。乗り場も近い。しかし、この二つの乗り物は、所要時間から見える景色、そして体験そのものが全く異なります。

この記事では、ケーブルカーとリフトのあらゆる違いを徹底的に比較し、あなたの目的や気分、そして誰と行くかに合わせて、どちらが「正解」なのかを判断するお手伝いをします。
ケーブルカー vs リフト 徹底比較早見表
まずは、両者のスペックと特徴を一覧表で比較してみましょう。これを見るだけで、基本的な違いは一目瞭然です。


項目 | ケーブルカー | リフト |
---|---|---|
料金(大人) | 片道 490円 / 往復 950円 | 片道 490円 / 往復 950円 |
料金(小児) | 片道 250円 / 往復 470円 | 片道 250円 / 往復 470円 |
無料年齢 | 未就学児(大人1名につき1名) | 3歳未満(大人1名につき1名) |
所要時間 | 約6分 | 約12分 |
輸送能力 | 135人 / 1編成 | 2人 / 1台 |
到着標高 | 472m(高尾山駅) | 462m(山上駅) |
営業時間 | 8:00開始、終発17:15~18:30(月・曜日により変動) | 9:00開始、終発16:00~16:30(季節により変動) |
特徴 | 日本一の急勾配(31度18分)、天候に強い | 景色の良い2人乗り、開放感とスリル満点 |
雨天・荒天時 | 運行 | 運休の場合あり(強風・雷雨時) |
障がい者割引 | 運賃半額(介護者1名も適用) | 割引なし |
支払い方法 | 現金、交通系IC、タッチ決済クレカ、TAMa-GO | 現金、交通系IC、タッチ決済クレカ、TAMa-GO |
こんな人におすすめ | 家族連れ、グループ、確実に時間通り進みたい方 | カップル、友人同士、景色とスリルを楽しみたい方 |
【安定と信頼の王道】ケーブルカーの魅力
ケーブルカーは、高尾山登山の「王道」とも言える移動手段。その最大の魅力は、なんといっても天候に左右されない安定感と輸送能力の高さにあります。

日本一の急勾配を登る迫力
高尾山のケーブルカーが走る最急勾配は「31度18分」。これは、ケーブルカーの線路としては日本一の急角度です。車窓から線路を見下ろすと、まるで壁をよじ登っているかのような、他では味わえない独特の迫力を体験できます。
天候に左右されない安心感
ケーブルカーは屋根のある車両のため、多少の雨であれば問題なく運行します。天気が少し不安定な日でも、「とりあえず中腹までは確実に行ける」という安心感は、特にスケジュールをきっちり組みたい方にとっては大きなメリットです。
大人数やベビーカーでもOK
一度に135人という大人数を運べるため、団体の利用や、混雑時でも比較的スムーズに乗車できます。また、車両とホームの間に段差がほとんどないため、折りたたんだ状態であればベビーカーの持ち込みも容易です。
バリアフリー対応も充実
ケーブルカー高尾山駅にはエレベーターが設置されており、車椅子をご利用の方には係員による乗降介助も行っています。また、障がい者手帳をお持ちの方は運賃半額(介護者1名まで同額割引)となり、アクセシビリティに配慮した設備が整っています。
【絶景とスリルを独り占め】リフトの魅力
一方のリフトは、高尾山の自然を五感で感じたいアクティブな方にぴったりのアトラクションです。

森の香りと風を感じる開放感
スキー場のリフトと同じ形式で、吹きさらしの座席に座り、ゆっくりと空中を進みます。鳥のさえずりを聞き、木々の香りや頬をなでる風をダイレクトに感じられるのは、リフトならではの醍醐味。特に新緑や紅葉の季節は、まるで森の中を散歩しているかのような没入感を味わえます。
2人だけのプライベートな時間
リフトは2人乗り。ケーブルカーのような喧騒はなく、隣の人と静かに会話を楽しみながら、12分間のプライベートな空中散歩を満喫できます。カップルや友人同士で、特別な時間を過ごしたい方には最高の選択肢です。
知っておきたい注意点
開放感が魅力である一方、リフトは天候に弱い乗り物です。強風や雷雨の際には安全のために運休します。また、営業終了時間もケーブルカーより早い傾向にあるため、特に下山時に利用を考えている方は、乗り遅れないように時間の確認が必須です。
重要: リフトは構造上の安全面から、障がい者割引の適用はありません。
詳細営業時間・料金情報
ケーブルカー営業時間(2025年)
月 | 平日終発 | 土・日・祝日終発 |
---|---|---|
1月・2月 | 17:15 | 17:30 |
3月 | 17:30 | 18:00 |
4月・5月 | 18:00 | 18:30 |
6月 | 17:45 | 18:00 |
7月・8月 | 18:00 | 18:30 |
9月・10月・11月 | 17:45 | 18:00 |
12月 | 17:15 | 17:30 |
参考:高尾登山電鉄
始発: 全日 8:00
運行間隔: 15分間隔(混雑時は臨時増発)
特別営業:
- ビアマウント期間中(夏季): 終発21:15まで延長(18時から21時は20分間隔で運転)
- 年末年始: 終夜運転実施
リフト営業時間(2025年)
期間 | 営業時間 |
---|---|
5月~11月 | 9:00~16:30(土日祝は状況により延長) |
12月~4月 | 9:00~16:00 |
始発: 全日 9:00
注意: リフトはビアマウント期間中でも通常通りの営業時間です。
料金表
区分 | 片道 | 往復 |
---|---|---|
大人(中学生以上) | 490円 | 950円 |
小児(小学生) | 250円 | 470円 |
未就学児 | 大人1名につき1名無料※ | 大人1名につき1名無料※ |
※注意: ケーブルカーは未就学児まで、リフトは3歳未満まで無料年齢が異なります。
障がい者割引(ケーブルカーのみ)
区分 | 片道 | 往復 |
---|---|---|
大人 | 250円 | 470円 |
小児 | 120円 | 230円 |
- 身体障がい者手帳、愛の手帳、精神障がい者保健福祉手帳をご提示ください
- 障がい者1名につき介護者1名まで同額割引適用
- 障害者手帳アプリ「ミライロID」もご利用いただけます
- リフトは割引適用外
支払い方法
利用可能な決済方法:
- 現金
- 交通系ICカード(PASMO、Suica等)
- タッチ決済機能付きクレジットカード
- TAMa-GO(QR認証)
注意: 定期券は現金のみでの購入となります。
基本情報(乗り場・公式サイト)
ケーブルカーとリフト、どちらも麓の「清滝駅」から出発し、中腹の「高尾山駅」(ケーブルカー)、「山上駅」(リフト)に到着します。両駅は歩いてすぐの距離です。

施設名 | 高尾登山電鉄(ケーブルカー・リフト) |
乗り場住所 | 〒193-0844 東京都八王子市高尾町2205(清滝駅) |
電話番号 | 042-661-4151 |
公式サイト | https://www.takaotozan.co.jp/ |
アクセス | 京王線高尾山口駅から徒歩約5分 |
お得な利用方法
高尾山きっぷ
京王線・井の頭線各駅で購入できる往復セット割引券。京王線往復乗車券とケーブルカー・リフトの往復券または片道券がセットになったお得なきっぷです。詳細は京王電鉄公式サイトをご確認ください。
高尾山湯ったりきっぷ
京王線往復+ケーブルカー・リフト往復+京王高尾山温泉「極楽湯」の入館・食事がセットになった割引きっぷもあります。
まとめ
最終的にどちらを選ぶかは、あなたの旅のスタイル次第です。
- 確実性、スピード、グループでの利用を重視するなら → ケーブルカー
- 自然との一体感、スリル、特別な体験を求めるなら → リフト
迷ったら、「行きはリフトで景色を満喫し、帰りは疲れているのでケーブルカーで素早く下山する」という、両方の良いとこ取りをするのも賢い選択です。

ぜひこの記事を参考に、あなたにぴったりの乗り物を選んで、快適な高尾山の旅をスタートさせてください。
重要な注意事項
料金・営業時間について: 本記事の料金や営業時間は2025年7月時点の情報です。料金改定や営業時間の変更が行われる場合があるため、必ず訪問前に高尾登山電鉄公式サイトで最新情報をご確認ください。