高尾山は、東京都内からアクセスしやすく、手軽に登山や自然散策が楽しめる人気のスポットです。その高尾山をお得に訪れる方法として、多くの人に利用されているのが「高尾山きっぷ」です。「高尾山きっぷ」は、京王線・井の頭線の各駅から高尾山口駅までの往復乗車券と、高尾山ケーブルカーまたはリフトの往復乗車券がセットになった割引乗車券です。このきっぷを活用すれば、通常料金よりも約2割引きで利用できます。
さらに、温泉と食事までセットになった「高尾山湯ったりきっぷ」もあり、登山後に温泉でリフレッシュしたい人に最適です。平日限定の販売ですが、通常価格よりも大幅に割引されるため、コストパフォーマンスが高いのが特徴です。
この記事では、高尾山きっぷの買い方や料金、主要な駅からの割引額、そして活用術について詳しく解説します。高尾山へお出かけを考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
- 高尾山きっぷの料金や割引率を理解できる
- 高尾山きっぷの購入方法や販売場所を把握できる
- 高尾山きっぷを使ったモデルコースを検討できる
- 高尾山湯ったりきっぷとの違いやメリットを比較できる
高尾山きっぷの基本情報
高尾山きっぷとは
「高尾山きっぷ」は、京王線・井の頭線の各駅から高尾山口駅までの往復乗車券と、高尾山ケーブルカーまたはリフトの往復乗車券がセットになった割引乗車券です。このきっぷを利用すると、別々に往復乗車券とケーブルカー券を購入する場合に比べて約20%お得に高尾山を観光できます。なお、途中下車はできません。

参考:京王電鉄の公式HP
高尾山きっぷに含まれるサービス内容
- 京王線・井の頭線の各駅から高尾山口駅までの往復乗車券
- 高尾山ケーブルカーまたは高尾山リフトの往復乗車券
料金メリットと主要駅からの料金表
「高尾山きっぷ」を利用することで、通常料金と比較して約20%の割引が適用されます。主要駅からの価格例は以下の通りです。
※京王電鉄の運賃は「2023年10月1日改定」のデータで記載しています。
出発駅 | 高尾山きっぷ料金 | 通常料金 | 割引額 | 割引率 |
---|---|---|---|---|
新宿駅 | 1,450円 | 1,810円 | 360円 | 約20% |
渋谷駅 | 1,450円 | 1,810円 | 360円 | 約20% |
調布駅 | 1,340円 | 1,670円 | 330円 | 約20% |
府中駅 | 1,280円 | 1,590円 | 310円 | 約20% |
京王多摩センター駅 | 1,420円 | 1,770円 | 350円 | 約20% |
※上記通常料金は大人1名分の京王線往復運賃と高尾山ケーブルカー往復運賃の合計です(ケーブルカー・リフト往復運賃は大人950円)。高尾山きっぷではこの合計額が約2割引きになります。
通常料金との割引金額を計算して比較検証
例えば、新宿駅から高尾山に行く場合を考えてみましょう。
- 通常料金の場合(個別に購入)
- 京王線 新宿⇔高尾山口(往復):430円×2 = 860円
- 高尾山ケーブルカー(往復):950円
- 合計:1,810円
- 高尾山きっぷ利用の場合
- 高尾山きっぷ(新宿発):1,450円
- 差額:360円お得(約20%割引)
新宿発の場合、1人あたり360円安くなる計算です。例えば家族4人で利用すれば、合計で1,440円(360円×4人)も節約できます。このように人数が増えるほど割引額も大きくなります。
高尾山湯ったりきっぷとは
高尾山湯ったりきっぷの特徴と高尾山きっぷとの違い
「高尾山湯ったりきっぷ」は、高尾山きっぷのサービスに加えて、高尾山口駅近くの温泉施設「京王高尾山温泉 極楽湯」の入館券(タオルセット付)と食事券がセットになったプランです。登山後に温泉でリフレッシュしたい方、ゆっくり食事まで楽しみたい方におすすめです。
- 高尾山湯ったりきっぷは大人料金のみの設定で平日限定販売です。
- 土日祝日および年末年始(12/30〜1/3)、ゴールデンウィーク、お盆期間、そして紅葉シーズンの11月は販売されません。
- 購入できるのは販売対象日の当日のみとなります。
- 途中下車はできません
高尾山湯ったりきっぷの商品内容
- 京王線・井の頭線 各駅~高尾山口駅までの往復乗車券
- 高尾山ケーブルカーまたはリフトの往復乗車券(割引往復券) – 大人950円
- 京王高尾山温泉 / 極楽湯 入館券 – 大人平日1,100円
- タオルセット(フェイスタオル+バスタオル) – 450円
- 極楽湯内レストランの食事券 – 約1,000円 ※季節ごとの指定メニュー
関連記事:高尾山湯ったりきっぷ 買い方や食事特典を徹底解説!
通常料金との割引率やメリットの具体例
主要駅発の「高尾山湯ったりきっぷ」料金と、同等内容を個別購入した場合の通常合計費用の目安を比較します(いずれも大人1名分)。
※京王電鉄の運賃は「2023年10月1日改定」のデータで記載しています。
出発駅 | 湯ったりきっぷ料金 | 通常料金(※1) | 割引額 | 割引率 |
---|---|---|---|---|
新宿 | 3,220円 | 4,360円 | 1,140円 | 約22.6% |
渋谷 | 3,220円 | 4,360円 | 1,140円 | 約22.6% |
調布 | 3,140円 | 4,220円 | 1,080円 | 約25.6% |
府中 | 3,080円 | 4,140円 | 1,060円 | 約25.6% |
京王多摩センター | 3,190円 | 4,320円 | 1,130円 | 約26.2% |
※1 通常料金の内訳(電車賃+ケーブルカー往復950円+温泉入館1,100円+タオルセット450円+食事約1,000円)
※2 湯ったりきっぷは平日のみ発売(大人のみ)で、上記通常料金の比較では平日料金(極楽湯入館料1,100円)を基準にしています。
食事券は極楽湯施設内のレストランでのみ使用でき、季節ごとに設定されたオリジナルメニューと引き換えになります。
例えば新宿駅から「高尾山湯ったりきっぷ」を利用する場合、通常すべて個別に支払うと約4,360円(電車往復860円+ケーブルカー往復950円+温泉入館料1,100円+タオルセット450円+食事代約1,000円)かかるところが3,220円で済むため、1,140円お得になります。
温泉と食事までセットになってこの価格ですので、平日に時間が取れる方には非常に魅力的なお得きっぷと言えるでしょう。
高尾山きっぷはどこで買う?購入方法と利用ガイド
購入可能な場所と時間
「高尾山きっぷ」「高尾山湯ったりきっぷ」ともに、以下の場所で購入できます。
- 京王線・井の頭線 各駅の券売機(※高尾山口駅を除く) – 駅構内の自動券売機にて発売。※駅窓口でも取り扱いがあります(始発~終電の営業中)。券売機は基本的に終日利用できますが、駅によっては営業時間帯以外は入場できない場合があります。
- 京王線 新宿駅・京王新線 新宿駅、渋谷駅の定期券うりば – 窓口営業時間内に購入可能。係員から説明を受けたい場合に便利です。
- QRデジタルチケット「TAMa-GO」 – 京王電鉄のスマホ向け乗車サービスです。専用サイトやアプリから「高尾山きっぷ(QRチケット)」を購入できます。事前に会員登録をしておけば、駅に行く前にスマートフォンでチケットを取得可能です。当日駅で券売機に並ばずに改札通過用のQRコードを発行できます。※TAMa-GOで購入した場合も割引率や内容は紙のきっぷと同一です。

注意:高尾山口駅(現地駅)ではこれら特別きっぷを販売していないため、必ず出発前に購入しておきましょう
最新のタッチ決済サービス対応
京王線では2024年より、交通系ICカードの他にクレジットカードのタッチ決済でも乗車が可能になりました。さらに、タッチ決済乗車で「高尾山きっぷ」と同等の割引運賃が自動適用されるサービスも開始されています。
対応するクレジットカード(Visa・JCB・American Expressなど)を改札機に直接タッチして入出場するだけで、高尾山口駅までの往復+ケーブルカー往復料金が割引料金で精算されます。事前のきっぷ購入が不要になる画期的なサービスなので、対応カードをお持ちの方はぜひ活用してみてください。
※タッチ決済による乗車サービスで割引きっぷを利用する場合も、高尾山口駅で途中下車せず直接往復することが条件です(途中下車は不可)。
有効期限と利用条件の詳細
「高尾山きっぷ」「高尾山湯ったりきっぷ」の電車・ケーブルカー券部分の有効期限は購入日当日限りです。往復きっぷは片道ずつ切り離して使用でき、往路・復路とも高尾山口駅以外で途中下車することはできません。ケーブルカーとリフトはどちらか一方の利用となり、併用はできません(高尾山きっぷ購入時にどちらの往復券か選択します)。
「湯ったりきっぷ」の食事券は極楽湯施設内のレストランでのみ有効で、他の店舗では使えません。また食事券は券面額面以上の利用も可能ですが、お釣りは出ません。
一方、湯ったりきっぷの温泉入館券は当日利用が必須ではありません。有効期間内であれば、当日入浴せず後日改めて極楽湯を訪問して使用することもできます。
おとくなきっぷの賢い使い方
高尾山きっぷと高尾山湯ったりきっぷの比較表
高尾山きっぷと高尾山湯ったりきっぷの比較表を以下に記載しました。用途に応じて使い分けてください。
項目 | 高尾山きっぷ | 高尾山湯ったりきっぷ |
---|---|---|
対象路線 | 京王線・井の頭線 | 京王線・井の頭線 |
往復乗車券 | ◯(高尾山口駅まで) | ◯(高尾山口駅まで) |
ケーブルカー・リフト往復券 | ◯(どちらか選択) | ◯(どちらか選択) |
温泉入館券 | × | ◯(京王高尾山温泉 極楽湯) |
タオルセット | × | ◯(フェイスタオル+バスタオル) |
食事券 | × | ◯(極楽湯内のレストラン) |
発売日 | 毎日販売 | 平日限定販売 |
販売駅 | 京王線・井の頭線各駅(高尾山口駅を除く) | 京王線・井の頭線各駅(高尾山口駅を除く) |
利用可能日 | 毎日利用可能 | 平日のみ利用可能 |
料金割引率 | 約20% | 約22.6%〜26.2% |
新宿発の料金 | 1,450円 | 3,220円 |
家族連れの場合のお得な利用法
家族で高尾山に行く場合、全員分を「高尾山きっぷ」で購入すると交通費が大幅に節約できます。例えば4人家族が新宿駅から利用すると、通常より合計1,440円もお得になります(前述の通り1人360円割引×4人分)。小学生のお子さんは子供料金が適用され、大人用きっぷよりさらに安価になるため、家族全体ではもっとお得です。
家族連れにおすすめのプラン例
- 朝早め(8時頃まで)に出発し、混雑する前にケーブルカーで山腹まで上がります。頂上までは1号路など舗装路で無理なく登山。
- 子ども連れには1号路(表参道コース)が安心です(山頂からの下山も約90分)。途中、リフト沿いの展望台などで景色も楽しめます。
- 山頂でお弁当や持参した軽食をとりつつ休憩。下山後、時間と体力に余裕があれば高尾山口駅前の「京王高尾山温泉 極楽湯」に立ち寄って汗を流すのも良いでしょう(※週末利用の場合、湯ったりきっぷは使えないため入浴料は別途支払い)。
一人旅での効率的な活用方法
お一人で高尾山に行くなら、平日に「高尾山湯ったりきっぷ」を利用するのが最もコストパフォーマンスに優れています。往復の交通とケーブルカーに加え、温泉入浴と食事までセットになっているため、登山後の疲れを癒しつつ経済的にもお得に楽しめます。
一人旅におすすめのプラン例
- 比較的空いている平日を選び、朝の早い時間帯に出発(高尾山口駅8:30着目安)します。
- 6号路(びわ滝コース)など少し難易度の高い登山ルートにチャレンジし、静かな山歩きを満喫。
- 下山はケーブルカーを利用して楽に降り、極楽湯で温泉にゆっくり浸かります。湯上がりにそのまま館内レストランで名物料理を味わえば、充実した登山旅の締めくくりとなるでしょう。

平日・休日それぞれの最適プラン
平日プラン(静かな山歩きを満喫したい方向け)
- 「高尾山湯ったりきっぷ」を活用(平日限定発売)。朝はゆっくりめでもケーブルカーの行列が短く、スムーズに山頂へ。
- 下山後は極楽湯で温泉と食事を楽しみ、夕方前には帰路につくゆとりの行程がおすすめです。
休日プラン(混雑を避けつつアクティブに楽しみたい方向け)
- 混雑を避けるため、朝7~8時頃までに高尾山口駅に到着するよう出発(新宿発の始発電車利用も検討)。ケーブルカーの始発は通常8:00です(繁忙日は増発・繰上げ運転もあり)ので、早朝なら待ち時間なしで乗車できます。早い時間帯から行動することで下山後の時間にも余裕が生まれます。
- 登山ルートは敢えて1号路以外を選んでみましょう。稲荷山コースや6号路は比較的空いており、自然もより濃厚に感じられます。頂上付近では紅葉シーズン以外はゆったり過ごせるでしょう。
- 下山後、時間があれば高尾山口駅周辺の土産店や飲食店に立ち寄ってみてください。名物のとろろ蕎麦など、高尾山ならではのグルメも休日ならではの楽しみです。

【発展編】きっぷを使ったモデルコースを組んでみよう
このお得なきっぷを使えば、高尾山登山と周辺観光を組み合わせた充実した一日を過ごせます。具体的なプランを立てたい方は、目的別のモデルコースを詳しく解説したこちらの記事をご覧ください。
高尾山きっぷ 完全ガイド まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- 高尾山きっぷは京王線・井の頭線の各駅から高尾山口駅までの往復乗車券とケーブルカー・リフト往復券がセットになった割引きっぷ
- 通常料金より約20%お得になり、個別購入するより安価に利用できる
- 京王線・井の頭線の各駅(高尾山口駅を除く)の券売機や窓口で購入可能
- QRデジタルチケット「TAMa-GO」にも対応し、スマホでの購入・利用ができる
- 2024年よりクレジットカードのタッチ決済でも割引運賃が適用される新サービスが開始
- 有効期限は購入日当日限りで、途中下車は不可
- ケーブルカーとリフトのどちらか一方を選んで利用する方式
- 「高尾山湯ったりきっぷ」は温泉入館と食事券がセットになった平日限定の特別きっぷ
- 湯ったりきっぷは通常価格より22%〜26%割引となり、登山後の温泉利用に最適
- 新宿駅から高尾山きっぷを利用すると、360円(約20%)の割引を受けられる
- 平日に登山・温泉・食事をまとめて楽しむなら湯ったりきっぷが最もコスパが良い
- 高尾山きっぷを活用すれば、家族旅行やグループ登山でも交通費を節約できる